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コラム西池
   
令和の漢字の構図 2019/5

 令和になって漢字が気になる。国が発表した令和の漢字と新天皇の即位の時にテレビ中継の群衆の中に居た子供の持っていたプラカードのの漢字が違っていた。テレビでは慌ててどちらでも良いという説明をする。二つの"れいわ"の漢字があることを認識せざる得ないのである。
 子供はマの字の、大人は縦棒の令和という構図である。小学生は教科書の中でマの字の"れい"と教わるようである。しかるに大人は縦棒の令の字が正しいと思っている。両方の漢字の画数は同じであるので漢字の省略形ではない。どちらが原型の漢字なのだろう。
 どうやらこれはパソコンの影響のようだ。パソコンを普通に使うと大人の令の字になってしまう。パソコンではずいぶん前からMSフォントと言う物が使われている。これが大人の漢字の理由である。普通にパソコン使用するとこの漢字になってしまう。従って小学生が習った漢字はパソコンを使うようになって大人の漢字になってしまうという矛盾が生じる。

 パソコンのフォントは明朝体が使われている。明朝体が何なのか、ついぞ考えたこともなかったが明朝体とは中国の明の時代の朝廷により印刷のために考えられた漢字であるということである。当時の印刷技術は木版を刻んで原版にしていたために斜め線よりシンプルな直線が必要だったということである。だとすれば小学生が使うマの字の漢字の方が原型ということになる。このことを正しく説明出来る人がどのぐらいどいるだろうか。

 最近になってWindows10の中に教科書体フォントが入っていることに気がついた。これはWindows fall Creationアップデートバージョン1709で導入されたフォントということである。これは2018年頭に導入されたバージョンである。このフォントを使うとマの字のが出て来る。最近になってパソコンで両方の漢字が使えるようになったということは驚きである。

実はこの字体の違いは令和だけでなく、領域、鈴木など辺と作りに令が使われている漢字に違いがあるのである。

 依然としてテレビもパソコンも縦棒の令和を表示するが今年の年賀状を作る時期に、毛筆体を選択するとマの字のになり慌てる人が出てくるかもしれない。色々なフォントをよく使う人はフォントが明朝体系かそうでないかを知る必要がある。令和の日本人には二刀流が必要なのだ。






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