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コラム西池
   
ドローンの構図 2015/9

 今、ドローンが世間を騒がせている。現在、ドローン規制法案が進行中である。ドローンとは複数のプロペラが付いた飛行物体のことだ。ドローン(Drone)とはオスの蜂の意味だそうだ。今年はこのドローンの落し物が全国で発生しているという話である。問題を起こしているのは、ほどんどホビー用のドローンと推察される。

10年ぐらい前にホビーのヘリコプターが流行ったことがあった。このときはこれらの問題が発生したという話は聞かない。ホビーのヘリコプターは本物のヘリコプターを模倣しているため、写真のようにカメラやビテオを搭載して飛行できるようにはなっていなかった。従って、ヘリコプターの飛行、運転技術を楽しむだけだったようだ。

ところが今回登場しているドローンは元々、無人機を意識しているため、写真のようにカメラやビテオを搭載できる。カメラやビテオカメラを搭載して写真や動画を撮りたいという思いが叶えられたのである。その写真や動画は未だかってなかったバードビュー(鳥瞰図)であり、今までに無かった新鮮な写真や動画が撮れるのである。翼を持たない人間の希望がかなうものであるということだ。このような心をくすぐるようなドローンが要因の一つなのだ。



ヘリコプターとドローンは飛ぶための仕組みが違っている。ヘリコプターはご承知のように大きなプロペラのメインローターとしっぽに付いているテールローターから構成される。メインローターはプロペラのよじれによる揚力(浮く力)を可変出来る仕組み(可変ピッチ)で構成するスワッシュプレート(Swashplate))なるものが付加されている。テールローターは慣性の法則で機体が回転してしまうのを防ぐ役割を持つ。

ドローンの飛行原理

これに対してドローンはマルチコプターと言う分類に属し、一般的に4個のプロペラを持つ。偶数個で最低4個のプロペラが必要なようだ。


隣接するプロペラどうし、プロペラの回転する方向が逆になっている。これにより飛び立った時に機体が回転しないようにしている。プロペラには揚力を可変できる仕組みにはなっていない。いわゆる、固定ピッチだ。揚力はプロペラの回転数でコントロールする。ヘリコプターのように可変ピッチではないため機体の構造がシンプルだ。主要機構部品は固定ピッチのプロペラ4個と回転数制御するためのブラシレスDCモータだけである。

垂直上昇/下降(スロットル)
機体を真っ直ぐ浮上させるには4枚のプロペラを同じ回転数で回せば垂直に上昇する。プロペラの回転数を落すと機体は自重で降下する。通常ホバーリングしている時には全てのプロペラが同じ回転数になる。

前進/後進(エレベータ)
機体を前進させるためには機体前側2枚のプロペラの回転数を後側のプロペラに比べて相対的に下げると機体が前方向へ傾き前進する。後進する場合には逆の操作を行う。

右移動/左移動(エルロン)
同様に右に行くのは右側のプロペラ2個を左側のプロペラ2個に比べ相対的に回転数を低くすることにより行う。機体が右方向へ傾き右移動します。左側に行くのはその逆である。

右回転/左回転(ラダー)
機体を回転させるのはヘリコプターはテールローターの回転数を変えて行うがドローンは回転方向の違うプロペラの回転数のバランスを崩すことにより、機体の回転を実現する。

これらを制御するのはソフトウエアであり、その出来、不出来で性能が違ってくる。

ドローンは離陸は簡単だが着陸は難しいという話である。どうも原理上、プロペラの回転数を落としながらゆっくり降りてくるのが難しい。最後はドスンと着陸。
またドローンは風に弱いようである。風が吹いていると流される。風に流されて電波の届く範囲を越えてしまうとあとは主人の手を離れてローミング(さまよい状態)となり、やがてどこかに墜落する運命となる。いわゆる落し物となる。落し物にならないように注意することが一番だが次に重要なのは高価な愛機ドローンに名前と連絡先を書くことである。

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無人飛行機(ドローン)の飛行ルールを定めた改正航空法が9月に成立した。、年内に施行される。
規定された飛行ルールは
(1) 飛行は日の出から日没まで
(2) 周囲の状況を目視で常時監視
(3) 人との距離を一定程度保つ
(4) 祭礼や縁日、展示会など人が多く集まる場所で飛ばさない
(5)爆発物は輸送しない
と当たり前の内容である。違反したら50万円の罰金となる。
この法律の無人航空機の定義は構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるものとあるため、リモコンヘリも含まれる。
また、
条文に無人航空機の飛行の禁止空域の記載があり、国土交通省令で定める人又は家屋の密集している地域の上空は飛行禁止とある。一部の報道ではこれは東京23区全体を含むとあるが少々乱暴すぎるがさて、どうなることか。




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