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コラム西池
   
土用の丑の日 2016/7

 現代の日本人は訳のわからない言葉を何の疑問もなく上手に使いこなす。いい例が土用という季節の言葉である。例えば、土用の丑の日、土用波がある。
さて土用とはと言われると説明できない。この様な季節の言葉が日本語の中に溢れている。
現代社会ではこれを解決するにはパソコンでネットのお世話になる。ネットが無ければ生活出来ないわけである。
 土用 とは、 立春(2月4日頃)立夏(5月5日頃)立秋(8月7日頃)立冬(11月7日頃)の前18日間を言うそうである。従って土用は年4回あるという事になる。
 それぞれ、立春前の「冬の土用」が1月17日頃、立夏前の「春の土用」が4月17日頃、立秋前の「夏の土用」が7月20日頃、立冬前の「秋の土用」が10月20日頃から始まる。
だがこの説明では土用が出て来ない。

土用の語源は中々複雑である。そもそもから始める必要がある。
古来、中国から伝わった陰陽五行説に起因している。
すべての事象を木・火・土・金・水の5つの気(状態)として考えるそうな。
五行の性質において、
木気は植物のような発育伸長する勢いのある状態、
火気は勢いが頂点に達し燃え盛る状態、
金気は熱や勢いが衰え凝縮・固化しつつある状態、
水気は凝縮しきってエネルギーを秘める静的な状態、
土気は土壌に種が発芽する、大きな変化を促す状態という意味を持つ。
五行説では四季を
春は「木気」夏は「火気」秋は「金気」冬は「水気」と割り当てた。
次に五行説の残った構成要素の「土気」を季節の変わり目である立春・立夏・立秋・立冬の前18日間を「土気」に分類し「土用」と呼ぶようになったという話である。
だがこの説明には18日間が出て来ない。
これは1年間を五行に基づき5分割して木・火・土・金・水の気を割り当てるところを4分割した為である。
1年間を4分割すると91日、5分割すると73日でその差が18日となる。これで均等に木・火・土・金・水の5つの気を配分した事になるからである。めでたしめでたし。

 「夏の土用」の間の丑の日に"う"の付くうなぎを食べる「土用の丑〔うし〕」という行事があるが
これは江戸時代、学者である平賀源内〔ひらがげんない〕が考えたウナギの販売促進のキャッチコピーだそうだ。本来はウナギは冬が旬なので夏は売れなかったのである。
最近ではこれと同じ様なことがセブンイレブンが考えた節分に食べる恵方巻と言える。節分の次の日が立春なので恵方巻の行事は「冬の土用」なのだ。
今年の土用の丑の日は7月30日だそうだ。これで安心してウナギが食べられる。




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