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コラム西池
   
濃溝の滝の構図 2017/8

 千葉県房総半島の真ん中付近にある濃溝の滝(のうみぞのたき)が観光スポットとして脚光を浴びている。
 向こう側を見通せる大きなトンネルの中を清流が流れ、トンネルから届く円形の光は神秘的で必見の価値がある景色である。 SNSで拡散した結果、今では千葉県でディズニーランドの次に人気となっている場所だと言う話である。最近では東京からのバスツアーなどが組まれている。

 ただSNSなどで拡散して急に観光スポットとなってしまったために、2つの間違いを引きずっている。
 その一つは写真の滝は実は濃溝の滝ではないのである。本当に名前は亀岩の洞窟と呼ばれているのである。濃溝の滝はこれより手前右側にある何の変哲もない滝なのである。しかも二つ目の間違いは濃溝の滝の"のう'の字は農業の農なのである。なんでもこの場所は昔、農業用の水車が設置されていた場所だそうだ。

 観光協会も名称に関して苦慮しているようで観光パンフレットには濃溝の滝と亀岩の洞窟と二つの名前が併記してある。
左下の小さい方の写真が本当の濃溝の滝と言う構図になっており、甚だ紛らわしい表示になっているのである。個々の滝の名称を特定すると色々と矛盾が出て来てしまうというわけである。

なんだか変であるがSNSで出現した新しい"濃溝の滝エリア"に亀岩の洞窟と農溝の滝があるということなのである。

 亀岩の洞窟のトンネルは自然に出来たのものではなくその昔、農地を増やすために蛇行している川を人工的にトンネルを掘りバイパスして流れを変えたものである。これを川廻しというそうである。

さて、ここへの行き方であるが
少し前まではgoogleマップでは亀岩の洞窟として登録されており、濃溝の滝で検索をかけるとヒットしなかったが最近では濃溝の滝としてヒットするようになり、しかも地図上にあった亀岩の洞窟が無くなり、濃溝の滝と名称が変わってしまった。これには驚きである。検索で付随して濃溝の滝駐車場或いは濃溝温泉千寿の湯というものが出てくるがこれが滝への入り口の場所である。この場所から遊歩道を歩いて5分のところにお目当ての滝はある。

本来であれば"亀岩のトンネル滝"というような分かり易い名前をつけてあれば、そのまま継承されたとは思うが今となっては訂正不可能なようだ。従って世の中が納得する今の名称は"濃溝の滝"と言うことになりそうである。なかなか大変な世の中である。




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