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コラム西池
   
都心のダイヤモンド富士の構図 2016/2

 都心でダイヤモンド富士を観るのが密かなブームになっている。ダイヤモンド富士とはご存知のように富士山の山頂にドンピシャリに太陽が沈み、ダイヤモンドのように輝く現象を指す。ダイヤモンド富士を観るチャンスは年二回ある。一つは秋分を過ぎ、冬至に至る時期に太陽が富士山を右から左に横切る時、もう一つは反対に冬至から春分に向けて太陽が左から右に横切る時期だ。太陽が富士山の山頂に沈む日はせいぜい1、2日である。

 地図のように関東では春分、秋分の時、真西に太陽が沈む方向を挟んで太陽沈む位置は冬至と夏至のあいだを左右30度の角度で移動する。
従って1日に移動する太陽の角度は60x2/365=約1/3度である。東京から富士山まで約100kmあるので富士山山頂での移動距離は1日で約600mである。また富士山の火口は800mあるので富士山山頂の広さを1200mと仮定するとチャンスは2日だけと云うわけである。



都心でダイヤモンド富士を観るためには
場所選定、日にち、日の入り時刻の特定が必要になる。
新宿の高層ビル群に沈む夕日が見える場所として後楽園にある文京シビックセンター25階の展望室が有名である。新宿にある都庁第一本庁舎と第二本庁舎の間の空間に富士山がすっぽり収まる。もし、この空間がなかったらここから富士山は観ることはかなわなかったのである。

 富士山を観るには冬の時期が空が澄んでいて最適である。この場所は2月の1,2日ごろがダイヤモンド富士となる。近辺の他の場所ではそれぞれ日にちが微妙に違い、それぞれの場所で10日ぐらいバラついている。
ここには当日はでっかい望遠レンズ持ったマニアたちが押しかけて来る。この展望室は斜めにガラスがはめ込まれているため、反射が抑えられ写真を撮るのによい環境なのだ。

 今年のシビックセンターの2月1日は天気が悪く、2日は手前に雲が掛かり、ダイヤモンド富士を拝むことは出来なかつた。そう、富士山を観るには天候が左右されるのだ。
日中、都心が快晴でもダメなのである。東京と富士山の間には丹沢山塊があり、雲が発生しやすいのである。ようやく富士山と対面できたのはダイヤモンド富士当日から10日経った頃である。
写真は新宿、都庁に沈む太陽でダイヤモンド富士当日から10日過ぎた日のもので有る。すでに太陽は富士山の山頂を横切り、右のビル群に移動している。一日前の写真も掲載する。一日での太陽の移動幅がわかる。


     2月10日                   2月9日

今年のダイヤモンド富士はダメだったがここからの富士の夕景は太陽が沈み新宿の高層ビル群にライトが灯ると最高潮になる。
隣に来ていた人は風が強い日は写真を撮りに来ると話していた。そう富士山の夕景を観られるのは快晴でしかも強風がポイントなのだ。



次のダイヤモンド富士のチャンスは半年以上先の秋分を過ぎた11月9,10日ごろだそうだ。

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追加
秋のダイヤモンド富士リベンジ
都心からの秋のダイヤモンド富士は冬至に向かって右から左に太陽が横切る時に起きる。シビックセンターでは11月9,10日である。今年、2016年の9日は快晴で木枯らし一番が吹いて最高のコンディションと思われたが、富士の山頂のど真ん中に陽が落ちるところまでは観測されたがその後、肝心の富士の全景が見えない残念な結果だった。都心からの富士の姿は陽が落ちる瞬間まで光線の関係で見えないのである。10,11日は天気が悪く、天気が回復したのは12日である。写真はその時の富士の夕景写真である。3日経過後で真ん中を通り越して少しずれた富士となってしまった。自然相手は難しいものである。





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